『けものフレンズ』ツイート急増の理由を探る―「すごーい!」「フレンズ」などテンプレワード"フレンズ語"の独り歩きとユーザーの拡散力 2017.02.10 13:00 UP

☆ながーい!けど、たーのしー!記事だよ!

彗星のごとく現れたアニメ『けものフレンズ』


2017年冬アニメがスタートダッシュを切り、人気作が次々と話題に挙がる今。
放送開始からしばらくたって突然、莫大な量のツイートが投稿され始めたアニメがある。
それが『けものフレンズ』だ。

『けものフレンズ』はジャングルのような荒野を舞台にする“動物擬人化美少女アニメ”。一見普通のアニメである本作が、なぜ急にTwitter上で注目されているのか。
他のアニメと比較しつつ、その独自性を探る。

他アニメとのツイート推移の違い


『けものフレンズ』の異質さを調べるため、まずは他の人気作品に関して投稿されたツイートの量を押さえたい。

▼『ガヴリールドロップアウト』に関するツイート(集計期間:1/8~2/8)



▼『小林さんちのメイドラゴン』に関するツイート(集計期間:1/8~2/8)


ツイート量の差こそあるが、どちらの作品も放送日にツイートが伸びるという(当たり前の)共通点を持つ。
この法則は深夜アニメ・夕方アニメ問わず共通で、例外は極めてすくない。

そんな“極めて少ない例外”が『けものフレンズ』だ。
以下が『けものフレンズ』のグラフ。

▼『けものフレンズ』に関するツイート(集計期間:1/8~2/8)


アニメ放送は1月10日に始まっている。だが1話~4話の放送日は、ツイートが少ない日で3,000を下回ることも。

1月30日~2月5日のアニメTwitterランキングでも本作は6位。1週間で35,869twしか投稿されておらず、目立ったアニメとは言い難い。

だがオンエア日ではない2月6日にツイートが爆発。その後も数字を伸ばし、8日には6日の2倍以上のツイートが投稿された。
いったい何がツイートを急増させる起爆剤になったのだろうか。

2月5日の午後からツイートに異変


ツイート数が低空飛行していた『けものフレンズ』に変化が訪れたのは2月5日だ。そのきっかけは劇中のセリフをもじったツイート、いわゆるフレンズ語の大ブームにある。
これにより、本作を取り囲むユーザーのツイートにも変化が訪れた。

2月5日以降、フレンズ語はTwitter上でテンプレートと化した。『けものフレンズ』を観ていない人でもフレンズ語でツイートし始めたのだ。

※フレンズ語 とは?
「すごーい!」「おもしろーい!」など形容詞を柔らかい表現にアレンジしたもの。平仮名で書かれることが多い。


▼「フレンズ語」の使用例






フレンズ語の独り歩き①


フレンズ語にはもうひとつ「きみは〇〇が〇〇なフレンズなんだね!」があり、これも多く拡散されている。

以下のグラフは、『けものフレンズ』のツイートと「フレンズ」というワードのツイートの量を比べたもの。

▼黒線―『けものフレンズ』。青線――「フレンズ」のツイート量


『けものフレンズ』を含むツイートは2月6日から7日にかけて総量が減っている。

にもかかわらず「フレンズ」は落ちこむことなく増量。5日から8日まで右肩上がりしている。
これこそ「フレンズ語の独り歩き」だ。

過去のアニメの例を挙げるなら、『ご注文はうさぎですか?』から生まれた「こころがぴょんぴょんするんじゃ~」が今回の独り歩き現象にもっとも近いだろう。

もともとアニメソングの歌詞の一部だった「こころぴょんぴょん」がネットスラング化。アレンジが加わり「〇〇するんじゃ~」というテンプレートに落ち着いた。

最近では『ガールズ&パンツァー』から生まれた「ガルパンはいいぞ」もその代表例。
『ガルパン』を実際に観たことがない人でも「〇〇はいいぞ」という改変ネタを多くツイートしていた。

こうして『けものフレンズ』は、アニメの本筋ではない面からも多角的に認知度を上げていく。

▼「〇〇なフレンズなんだね!」の使用例





フレンズ語の独り歩き②


フレンズ語の流行現象のひとつとして、「すごーい!」が拡散されているのは先述の通り。
そこで『けものフレンズ』と一緒につぶやかれている形容詞を割り出してみた。

▼『けものフレンズ』と一緒につぶやかれている形容詞


「すごい」や「楽しい」のほか「すごーい」もツイートされていることがわかる。
これもフレンズ語が独り歩きした結果だろう。

まとめ


今回の調査の結果として、『けものフレンズ』のツイートが急増した主な理由はこのようにまとめられる。

・「すごーい!」はすごかった。

『けものフレンズ』そのものは、多くのまとめサイトや個人ブログでも言われている通り、考察しがいのある作品だ。

だが難しいことを考えず「すごーい!」ですべてを包括することもできる。それこそが本作についてのツイートが急増した一番の理由だろう。

アニメの開始5分で『けものフレンズ』を切り捨てたユーザーが、フレンズ語から逆輸入される形でアニメを観直す現象も起きているようだ。

第1話の放送日には3,267件だったツイートも、第5話放送日には119,005件に伸びた。2月8日の1日分だけで、およそ12万件に届こうかという勢いだ。

ここまでツイートが飛びぬけている作品は、2017年冬アニメで他に類を見ない。いずれの作品に関するツイートも1日で10万件に届かないものばかりだ。

はたして『けものフレンズ』のツイートは今後どこまで伸びるのだろうか。アニメ史に残る逸品として、その動向を見守りたい。


(2017.2.9 ついラン編集部:ココロヨい)


記事内のツイート集計範囲:角川アスキー総合研究所が独自に定義したエンタメ関連全量ツイート
集計方法:Realtime trend analyticsを利用

<ツイートの表示について>
本サイトではTwitterの利用規約に沿ってツイートを表示させていただいております。ツイートの非表示を希望される方はこちらのお問い合わせフォームまでご連絡下さい。

<関連記事>

<分析レポートの新着記事>

<最新トピックス>

新着記事をもっと見る▶