〈起業家×高校生〉 UP!SHIOJIRI イベントレポート 身近な経験から起業のタネを見つける! 2019.03.27 18:00 UP

高校生の将来の選択肢として、就職・進学以外に「起業」という道を考えることで自分の可能性を広げるためのイベント「〈起業家×高校生〉UP!SHIOJIRI」が 2月16日(土)、グレイスフル塩尻(長野県塩尻市)にて開催されました。昨年に引き続き2回目となる本イベントは、塩尻市内および長野県内の高校生・高専生に向けて、起業への理解を深めてもらうためのプログラムを展開。

当日は二部構成で、第一部は「MEET UP!」と題し、起業家 2 名による講演、第二部の「START UP!」では起業のタネを見つけるワークショップを実施しました。また、塩尻市内に2018年にオープンした、シビック・イノベーション拠点「スナバ」の紹介や、イベントの様子を絵や図で記録するグラフィックレコーディングなども行われました。

※グラフィックレコーディングの様子は記事の最後で紹介!
昨年度イベント:「起業家×高校生 起業を知ろう!起業家としゃべろう!10代から考える起業へのステップ」

「皆さん世代だからできる課題設定で、技術の必要性を考えてほしい」島影圭佑氏



▲島影圭佑氏


第一部、起業家講演の一人目は、株式会社オトングラス代表取締役・島影圭佑氏です。
島影氏は文字を読むのが困難な人をサポートする眼鏡型デバイス「OTON GLASS」を開発・研究し、起業。デザイナーかつ研究者で、筑波大学 落合陽一研究室助教としても活躍しています。
講演では、自ら開発した「OTON GLASS」を紹介し、デモンストレーションとして実際に使用して見せました。名札に書かれた文字を音声として読み上げる様子を目の当たりにし、参加者たちからは驚きの声が上がりました。


▲「OTON GLASS」を装着した島影氏。名札に書かれた文字が読み上げられた。


島影氏が「OTON GLASS」を作ったきっかけは、父親が脳梗塞で倒れ、文字の読めない「失読症」になったこと。そういった背景から製品を開発した島影氏は、エンジニアを目指す参加者へ「ただ好きだから作るのではなく、技術の意味はなんなのか。その技術がどんな価値を生み出すのかを考えながら、エンジニアリングをしてほしい」と語りました。

また、起業を考える参加者に向けては、今後の社会構造の変化などにも触れながら、「僕らの世代が考える課題設定と、皆さんの世代が考える課題設定は違うはず。皆さんの世代独自の課題設定、独自の解決方法を生み出す起業家になってもらえたら嬉しいなと思います。これから皆さんがどんな課題を持ち、解決していくのかを楽しみにしています」とエールを送りました。

「面白そうなことはとりあえずやってみる。起業はひとつの選択肢」 野口寛士氏



▲野口寛士氏


起業家講演二人目は、株式会社スペースエンジン代表取締役、野口寛士氏。野口氏は学生時代に大阪市の「第一回シリコンバレー人材派遣プログラム」に参加し、シリコンバレーを訪問。現地で1ヶ月、男3人でテント生活をして開発に没頭、2013年に株式会社コーフェイムを設立し、2018 年に株式会社スペースエンジンを設立しています。

スペースエンジンは、店舗や商業施設の空きスペースなどで、自分の商品を販売できる「世界初の店舗シェアリングサービス」を運営しています。商品を販売したいメーカーなどは、希望の場所や期間を設定して店舗を検索し、条件に合えばその店舗に商品を発送。実店舗を持たなくても、人気店舗などに商品を並べることができる画期的なサービスです。


▲「プログラム終了後も米国に滞在し続けていたら、ベンチャーキャピタルの人と出会えた」と野口氏


野口氏は自身の経験について「解決したい課題が明確にあって起業するケースもあれば、僕みたいに、たまたま起業するケースもある。僕は学生時代に、“パソコンってすごい。俺もやってみよう”と思ったことから、ビジネスコンテストに出場し、起業の一歩目を踏み出しました。皆さんにも、面白そうなものはとりあえずやってみることをオススメしたい」と語りました。さらに「起業はハードルの高い別世界のものと感じるかもしれませんが、就職も、起業も、全部フラット。あくまでも選択肢のひとつで、課題解決の最適な方法が起業であればその道を選べばいい」と話しました。

「発想力を鍛えるには?」「どうなれば成功?」参加者のギモンに講師陣が回答!



続いて、参加者から島影氏と野口氏へ寄せられた質問をもとに、質疑応答タイムです。ここではその内容の一部を紹介します。

質問「OTON GLASS の発想がすごく面白いと思ったのですが、発想力を鍛えるコツはありますか?」

島影氏「僕の場合は、スケッチ。OTON GLASS を考えるときも、課題に対してどういう解決方法やアイデアがあるのかをスケッチで描いていました。プロダクトデザイナーがよくやっているメソッドです。自分自身が誰かになにかを伝えたいときに一番得意な方法は何なのかを考えて、その方法でまずは発想していくのがいいと思います」

質問「どうなれば、起業が成功したと言えますか?」

野口氏「自分が、誰の、どのような問題を解決したいと思って起業したかが重要で、起業したときの目的を達成できたら成功だと思っています」
島影氏「完全同意ですね」



質問「起業して、その結果自分自身はどう変わりましたか?」

野口氏「起業をすると、自分が会社の代表になる。大手企業の営業部長や取締役と、肩書は同等になります。相手も『この人は代表だ』と思って接してくれるので、僕としてもそのレベルでしゃべらないといけない。それは自分の丈に合ってないかもしれないけど、最後の責任はすべて自分が負うという覚悟が生まれましたね」

質問「会社を立ち上げて、一人の力でなにかをやってみるというチャレンジ精神はどうやったら養えますか?私は、チャレンジするのは怖いと思ってしまいます…」

島影氏「最初は小さい挑戦なのですが、段階的に挑戦できることが少しずつ大きくなっていく感覚があります。その小さいものをどう育てていくかがポイントで、成長していけるアーキテクチャをどう作るかが重要なのかなと。僕の場合はプロダクトを作る過程で成長していくタイプですが、野口さんは、自分から未知の環境に飛び込んで、爆発的に成長してまた次に行くというタイプで“自分はこの環境に行けば成長するのではないか”ということを察する感覚とか回路をもっているのではないかと思いますが、どうでしょう?野口さん」

野口氏「そうですね、怖くないのかと聞かれたら、僕も怖いです。今はこうやって人前で講演していますが、最初にピッチでしゃべるときは怖かったし緊張しました。当時は何をしゃべるか事前に書き起こして、完璧に暗記して何度も練習しました。失敗したら怖い、笑われる、といった不安があるときは、自分が、何が怖いのかを考えて、その原因を特定して克服したら解決すると思います」

「自分の価値を見つけ、起業のタネを見つける」第二部ワークショップ



▲株式会社ゼロワンブースター 常川朋之氏


第二部「START UP!」では、「高校生のための事業創造マインドセット」と題し、起業する上での考え方の枠組みを作っていくワークショップを実施。ファシリテーターを務めるのは、起業家支援やアクセラレータープログラムを運営する、株式会社ゼロワンブースターの常川朋之氏。
まずは、参加者同士でペアを作り「自分は何者か」のテーマで話すことから始まりました。常川氏は、自分について理解することは、「自分が本当は何をやりたいか」を考えることにつながり、それが事業を考える上で重要になると話しました。

次に、自分のこれまでの人生を振り返り“過去最高の体験”を付箋に書き出していきます。参加者からは「受験に受かった」「友達とキャンプ」「新しい友達ができてLINEのIDを交換できた!」「パソコンを手に入れた」など、様々なエピソードが挙がりました。


▲自分の最高の体験を互いに紹介


その後書き出した内容を、4~5人1組のチーム内でシェアします。
さらに、メンバー同士の“最高の体験”をかけ合わせ、事業案を作成していきます。


▲チームで作った事業案を、代表者が1分でプレゼンします


7分の相談タイム後、全12チームが自分たちで考えた事業を発表しました。「無人島でシェアハウス」「アニメに登場するごはんを提供するサービス」「SNSでフォローしたいアーティストを見つけたり、ファン同士でつながったりできるサービス」など個性的な事業案が出てきました。

ワークショップの締めくくりとして常川氏は「皆さんの興味から生まれるサービスが世の中を変える可能性がある。自分で事業を創るなんて自信がない、という人が多くいますが、自信というのは、現時点の話ではなく、自分の可能性を信じることだと思います。なので、今この時点で足りないことがあれば手に入れればいいし、将来の自分の可能性を信じていただきたいです。自分の価値を見つけて、人に分け与えられることは何なのかということを考えていってほしい」と語りました。

以上をもって「〈起業家×高校生〉UP! SHIOJIRI」は全プログラムが終了。最後は講師陣と参加者が集合し、記念撮影が行われました。



プログラムのポイントを凝縮させたグラフィックレコーディング







【開催概要】
「〈起業家×高校生〉 UP!SHIOJIRI 」
日 時:2019 年 2 月 16 日(土)13 時~17 時
対 象:高校生、高等専門学校生
主 催:塩尻市
共 催:松本市、安曇野市
後 援:長野県、長野県教育委員会
運 営:角川アスキー総合研究所

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